収穫の秋。
と申すには遅いのではありますが、12月になっても冬にはなりきらない天候が続きますと(時には、そりゃあ、寒い日もありで冬到来ではありますが…)、秋は何と言っても、美味しいものがたくさん取れる時期。
ナシ、リンゴ、蜜柑、柿、その他の果実が豊かにあり、マーケットの店頭にはあふれんばかりの色とりどりの立派に熟した果実が並ぶ。果実だけではなく、魚介類も…。ではありますが、秋の味覚の代表格の一つになるのが、松茸。
高価ゆえ、なかなか私達、庶民の口には入ってきにくい逸材の食材。
何とも言えない香りの行方はどこからどこへと流れゆくのやら…。
TVの松茸リポートは、お若いタレントさんの、多少食べ方の所作が醜くあっても、簡単に賑やかに「わ~~!美味ひ~い!何とも言えな~い!いいかおり~!」と紹介されれば、高価さのレベルが下がるのでは?と案じるも、うらやましく美味しさを想像してしまうではありませんか!
この松茸については、トピックスがあって、実は、一大産地だった広島県世羅町では、天然の松茸の収穫量が減少したことから、人工栽培の研究に着手したところ(残念ながらその研究はうまくいかなかったということではあるが)、なんとその過程で別のきのこが生まれたという。
名付けて「松きのこ」というが、風味は松茸のように豊かで、無農薬、無菌栽培で生食も可能ということで注目を浴びているというニュースを見たことがある。
「松茸」ならぬ「松きのこ」を馬鹿にしちゃあいけないよ!朗報ではあり、その「茸」と「きのこ」の文字違いで、実際何が違うの?松きのこは安価なの?
なにしろ、松きのこは松茸にそっくりで、1本250円からあるというのですから。ほんに!まあっ!ほんとに?!というお宝が出来上がったのだ。
ちょっと思い出したことがあるのですが、10月半ばのころ、ウイーンに行ったのですよね。10月頃と言えばウイーンはもうグッと寒くなるようで、事実10月初めの頃の気温は、5°Cに急激に低下したらしい。
ウイーンの友人から、「こちらは寒いから厚めのコートなど防寒対策をしていらっしゃい」との連絡を受け、それなりに調整し直して10日後には現地に行ったのですよね。当時の気温のは16℃と、思ったより暖かさを感じうれしかったのを覚えています。
1週間ほどの滞在中、少しヒンヤリするウイーンの森の中を歩き、またベートーベンの散歩の小道などを歩いたのですが、その途中、可愛い幼い男の子と若いお母さんが、大きな木の根っこにしゃがむようにして、傍に置いてあるビニール袋に、刈り入れの収穫物を入れている場面に出くわしたのです。もちろん、穏やかで素敵な親子の情景でしたから、私達二人も思わず足を止めて、親子の手元に目をやりましたよ。さらに近づきながら、「ハロー」とかなんとか笑いに紛らわせて声を掛けると、お母さんが刈り入れの手を止めて、群生しているきのこを「これをごらんなさい!幸せのタネよ、楽しみのカテよ!」と言ったかどうか不詳だが、声を発して何かを伝えてくださった。幸福の女神のような、ふくよかな微笑と朗らかな声は、間違いなく私達を受け入れてくださっていると思わせてくれたので、日本語やら英語やら片言単語を駆使しながら、笑いにまみれて会話ならぬ笑話で切り抜けてみることができた。
何しろ、大きな木の根っこの下には無数の可愛いきのこが群生?していて、私達もほんとは、そんな獲物を収穫したかったわね。
きのこ類の名は、「たけ」が付くものが多く、種類の目印なんだそうだ。
例えば、シイタケ、マイタケ、マツタケ、ナメタケ等々。
「たけ」は、独立性の高い接尾語ということで、シイダケ、マツダケとはならず、「たけ」というふうに、濁らず独立性を保っているということのようですよ。
きのこは、菌類がつくる子実体(しじったい)の比較的大型のもので、朽木や木に出てくることが多く、語源は「木の子」からくるとのこと。
きのこは、しかし、食べると非常にキツイ中毒症状を引き起こすものがあるのは、皆様ご存じでありましょう。
扨て皆様、令和元年となった2019年も、残すところわずかとなりました。
どのような1年であったことでしょうか?
私は、高齢の忍び寄る体調不良の症状に悩まされながらも、なんとか笑顔の中に生気を保ち、ワークステーションの仲間に支えられながら、過ごすことができました。
元気が何より。健康への誘い、レクチャーがあちらこちらから飛び交ってくるこの頃。そうした(常に進化している健康対策、健康知識豊かな)世の中になってきており、環境的には恵まれているといって良いのでしょうね。
医療環境の進化、伸展は目覚ましく、将来に希望的になってきますが、しかし、地球温暖化による対策は、今年も合意に至らなかったCOP2002会議。憂うべき事態と認識してみて、改めて、この地球環境の行方を考えてみましょう。
2020年に向けて、私たちが個々に振り返り、新たな年を迎えましょうね。