「割れ窓理論」の諭からの智恵の絞りだしが難しい!

2月9日の毎日新聞「余禄」欄に、「割れ窓理論」=
窓ガラスを破れたまま放置していると、その街区の荒廃が
どんどん進むというという理論であると、
釘原直樹氏の著書「人はなぜ集団になると怠けるのか」(中公新書)に紹介されており、
社会規範の崩壊は、環境を介して、人から人へ伝染していくという。

へえ~っ!ちょっと面白い!と思って調べてみると、
「割れ窓理論」を創り出したのは、
心理学者フィリップ・ジンバルド
(1969年、人が匿名状態にある時の行動特性を実験により検証)。

その結論は、
「人は匿名性が保証されている・責任が分散されているといった状態におかれると、
自己規制意識が低下し、『没個性化』が生じる。
その結果、情緒的・衝動的・非合理的行動が現われ、また周囲の人の行動に感染する」
と論じていて、了解できたものの、意外なところに発展していて、少々怖い。

ネット上から導き出したところ、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングは、
1972年に、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、
凶悪犯罪を含めた犯罪抑止ができるとする環境犯罪学上の理論を考案していて、
実験例を示しているし、他に別の学者たちが何例か実験例をしめしている。

時同じく、ニュースになった「万引きをした人をネット上に公開したり、
店内に明快な万引き者の写真張出し公開」など。
その対策を敢行した、社長さんや店長さん達の言い分は、
「考えて考え抜いた対策だ。こうでもしないと、犯罪は決してなくならない」
と真剣に怒っているが、表情は爽やかで堂々としている。
周りのお客さんや通りがかりの人たちへのインタビューでは、
「ちょっとやりすぎでは? ここまでやらんでも」という意見が圧倒的に多いが、
毎日その被害に合わせ続けられ、ごそっと何十万もの品を持って行かれるのは、
確かに堪ったものではない。背景には、社員に責任が及び、収益にも損失を被る。
最近の世情から、無くせない、防止できない、こんな犯罪が増え続ける状況は、
この対策、環境犯罪学上の理論に裏付けされた抑止対策であろうか?
賛否両論あれば、「では、どうすれば改善されていくのか…」と問いかければ、
ホントに対策は困難なのだと思う。

悩ましく深刻な賛否二分する社会現象が現れまくってきているようで、怖いなあ~!!

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ノンちゃん

投稿者: ノンちゃん

大阪・住友病院で教育担当副部長を経まして、系列看護学校の副学長を歴任。その後、活躍の場を他の総合病院に移し、看護部長として就任いたしました。現在はワークステーションで登録スタッフの方の相談役として、様々なアドバイスを行なっております。長年の臨床経験・指導経験を元に得た知識を、皆さんにお伝えできればと思います。