七夕の夕べは、ちょっと話題なシニアマンション風景

7月7日は七夕の日。夜空に見えるとは限らぬ、天の河のお出ましは、在りや無しや?
雲のご機嫌、如何様にあるのやら?七夕の星空は見えない年が多いのであるけれど、織姫星と牽牛星の物語は、概ね「年に一度の逢瀬の日」。
やるせなき絵空ごとにすぎないと申せば、それまでのこと。

幼き幼稚園・保育園や託児所の児童たち、高齢者ホームや病院に入院されている方々にとっては、大切な年中行事として、短冊に願いを込めて笹の葉飾りを愛で、夕食膳には、栄養士さんや給食の炊出しをされる職員さんの工夫や楽しみを凝らしたお膳が運ばれてくれば、それは美味しく、また賑やかな食膳となったことでしょう。
我がシニアマンションの人々もまた、夕食のメニューを心待ちにして、美味しく食したことではありました。

ところで夕食しながらの話題が、今夜7時半~9時頃まで行われる、万博公園での花火大会であり、我がマンションの窓から、まる見えのスポットがあるという情報で花が咲いた(笑笑)。
如何にも今夜、雲が多くなれば二つの星(牽牛の彦星と織姫)は、雲隠れしてしまう恐れある天気予報でしたので、何処でデートを楽しんでいるのやら?
かような雲多き空なれば、二つの星にまみえることは無いのである(らしい…)。
が、万博公園の花火ならば、情熱の火花で雲を追い散らしてくれるであろうし、観覧車を真正面に見据え、打ちあがる花火をしっかり見ることができるというのなら、大きな楽しみである。
と心得て、それまでにお風呂にも入って、お待ちしてよく見える場所に見に行きましょうと、其々に散会したものです。
単純な話であり、しばらくはもう忘れていた話でもあったわけですが、こうした話題の交換は、頭の回転を楽しく活性化してくれるものだな?!ドーパミンよしっかり出ておくれ!そして気持ちよく楽しませてくだされや~と祈り願いながら、しばしの時間待ち。

三々五々とそぞろ集まり始め、花火は7時45分ごろより上がり始めました。
私は自室内で、「さて?どうしたものか?最上階まで行くのも、ちと面倒くさいかな」とぐずぐずしていたら、3間(室)向こうの10歳上のお方が誘いに来て下さり、観覧現場まで行って驚いたこと!!

何?これ?一等席?特等席?万博公園の観覧車がこんなに間近に見えるなんて~!?
遠く離れているにもかかわらず、真正面に大きくドシッと位置し、ネオンに色づけされて、きれいに浮かび上がっているのだから、当に特得席なのだ。花火の打ち上げは、ボ~ンと鈍い爆音の2~3秒後に、火の花となって幾重の絵空が展開される。
華々しき花火ショーに満足度の高い心の高ぶりは、居合わせた後期高齢者の歓声を呼び、その音響は、まるで幼児の声の様に屈託なく響きあい、我らが喜びの声は、こだまして8階マンション廊下を弾けていくのです。
グッときてハッとして顔見合わせて「何よね~恥ずかしい~!いい歳して~!幼児でもあるまいし~!あはは~っ!(笑笑笑笑笑~次第に野太い笑い声になりながら響いていくのだ~) つくづく、よくぞここまで生きてきたわ~。こんな幸せな時間を過ごせるなんて~。ここに住むことにしてよかった~。」
感慨ひとしおの呟きは、可愛くてだみ声交じりの幼な声を発していたように思うのです。

発声の刺激で咳込むわけでもなく、次々と打ちあがる大輪・小輪の連続花火が打ちあがると、高齢者にとっての日常生活動作上の不具合に影響されることなく、億劫で面倒くさい動作なども必要とせず、気楽に楽しめる夏の夜空に始まった万博公園花火パノラマショーは、当に百万ドルの観覧の夕べでありました。

注:伝統的な七夕の日は、8月上旬~下旬頃 と毎年大きく変わるのだそうで、今年は7月七夕の星空がみれるチャンス到来との一報が伝えられていました。
しかし、当日は、東日本~西日本の日本海側は、雲の多い空となり星空を見るのは難しい天気(以上、当日2日前の予報)ではありました。当日は、さすがに雨は降りませんでしたが、天の河を愛でることはできませんでした。

今年もまた、我がマンションのロビーには、笹の葉に紐つけられた短冊が賑やかに彩を極め、揺らめいていましたが、短冊には、戦争の平和を願い、自身の健康を願い、共に居住しあう人々の幸せを願い、恋人が見つかりますように・恋人ができますように…牽牛と織姫の墨絵を短冊いっぱいに描いていたり…私もまた、ロマンチックに願い事を、短冊に記し軒端の笹の葉にそっと吊るしてみました…な、今年の七夕模様でした。

ノンちゃん

投稿者: ノンちゃん

大阪・住友病院で教育担当副部長を経まして、系列看護学校の副学長を歴任。その後、活躍の場を他の総合病院に移し、看護部長として就任いたしました。現在はワークステーションで登録スタッフの方の相談役として、様々なアドバイスを行なっております。長年の臨床経験・指導経験を元に得た知識を、皆さんにお伝えできればと思います。