このテーマを演出してくれたのは、3月6日(日)のウェザーニュース(LINE)。
日曜日の朝のモーニングタイムには、もってこいのホットな記事で、小さなスマホながらふだんに映し出される黄色の花が、丁度久しぶりに日差しの通る朝日で生きかえり、揺れているようにも見えて、しばし、コーヒーの一腹が美味しく浸みこんでくる。その爽やかで春爛漫感な話題を、ぜひお届けしようと意気込んで、このブログを書き始めましたが、LINE配信記事の二番煎じみたいな展開は、結構野暮やないか?と気にしてはいます…。
実は私、今まで、春の花は色とりどりの爛漫さの味わいを堪能していながら、「意外と黄色い花が多いねえ」 なんて感想を持ったことがない。言われてみて気持ち新たに、花屋さんの幾つかの店を通り歩けば、は~ぁ!?黄色の花が可愛い!な~るほど…そう言われてみれば~イヤ~確かに!!そうなんだぁ~!!
「ボケ~ッと見てるんじゃないよ~」「寝ぼけまなこで見てるんじゃないよ~」「シャキッと見るもんだな」!!なんて声が飛んでくる…ような…。
日本花の会研究員の小山徹さんが、説明して下さっているので、文面を要約してご紹介いたしますと、「花の色は何のためにある?」 という説明を通して、「早春から春にかけて黄色の花が多いのは、まだ色彩に乏しい山野で、黄色が目立つ色だからという事です。早春からいち早く活動を始める昆虫には、アブやハエの仲間が多く、これらは黄色い色に敏感だと言われている」 と。受粉の方法には、虫媒花、風媒花、鳥媒花、水媒花に分けられ、虫媒花は昆虫による受粉方法で、黄色に敏感な多くの昆虫仲間が活動するという事です。
そもそも花の色は何のためにあるのか?花の色は、昆虫を惹きつけるための生き残り戦略の一つであって、人間の鑑賞のためにあるのではないということになりますね。(トホホ…)
昆虫が花粉を運んでくれるかどうかが、花達の子孫を残せる鍵になるというのですから、昆虫たちの活躍により、黄色の花が恩恵を受けるとなれば、ある意味、先々の子孫繁栄が、保証されているようですね。花の繁栄の役割を担う昆虫たちは昆虫たちで、その習性に従って、いち早く黄色に敏感に反応し、生き残るためのさらなる、香りの良さ,蜜の多さを求めて必死の戦いを繰り広げているとなれば、昆虫はその役割を担っていると意識していなくとも、あのきれいに咲く黄色い花達の生命線に重要な関わりをしているのであって、昆虫のアブやハエの仲間達の、合理的で緻密で必死な自由を謳歌して跳び回るのを忌み嫌うことではない。きれいに開花させた花達とのコラボ活動は自然の摂理だと思って感心感銘するばかり。(しかしまあ、アブやハエが、わが身の周りを跳び回るのは、ちょっとご勘弁願いたいけれど…)。そして、時満ちれば花は花にして春めく独自の黄色い勝負服で凛として咲き示す。なんとも合理的で神秘な花の命の道程ではありませんか?
人間の目には、芽吹き時の勝負色(黄色)を見ても関心は湧きにくい。ましてや美味しい蜜の含みなど感じとる繊細さもないのではないかしら?幼くして芽吹き始める黄色い花!昆虫たちを呼び込み、昆虫たちの介添えで子孫を残していくというのですから、なんとも艶やかな営みで、自然の大きさを感じてしまいました。
早春の清々しさには、小さくして壮大な自然の営みが、数知れずあり、知れば知るほどに、まるで絵物語の楽しみがあるのですね。
遅まきながら、花を愛でる春の季節を感じ始めたこの頃です。
落ち着いたティータイムに、お庭や室内の花に改めて目をやり優しいまなざしで感動の言葉をかけてあげれば、花達は喜ぶにちがいない。また散歩時に出会う花達にも生命活動の関心を示し、賛美を送ってあげると、来年には、さらに良き色の花、甘い蜜、花の香りを発散してくれるのではないでしょうか。