遠隔介護ブログ(第22回)

こんにちは。コーディネーターの渡邉です。
遠隔介護ブログ22回目です。

季節がどんどん進み、すっかり朝晩冷えるようになりましたね。
私の実家がある兵庫県の内陸部は、山も色づき始めました。

 

前回95歳の祖父が亡くなったことを書かせていただきました。

母が亡くなったときは、もう終末期に入っていることが家族で認識出来ていたので、悲しくて悔しいながらも母の死を受け入れる準備も始めていたのですが、祖父はこの10年、親戚で「危篤詐欺」と呼ぶくらい、危篤と病院から言われて、みんな病院にかけつけてみては持ち直す。というのを繰り返してましたので、まだまだ生きていてくれるという気になってました。

が、それはほんとにある日突然で、私たち夫婦と父とでお彼岸のお墓参りをして帰ってきた夜中に、祖父のキーパーソンとして病院に連絡先を伝えている私の弟から電話が鳴り、亡くなったとのこと。

そこからの数日は、死亡届の提出、病院からの荷物の引き上げ、通夜、告別式への用意、家の掃除など、、目まぐるしく「しないといけないこと」がおとずれ、母の死のときにも感じたことですが、身内の死を悲しんでる暇がないくらい、寂しさを感じる暇もないくらい、やらないといけないことが多いのが身内の死、、ほんとにそうでした。

弔問してくださった、古くから家族ぐるみの付き合いをしている60代の知人に言われたのが、「私まだ、家族見送ったことないねん。めぐみちゃん私よりだいぶ若いけど、もう2人も段取りしてやってんねんな、プロやな。」という言葉。

あっけらかんとしてて、悲しさや寂しさや忙しさの中でも、私は声を出して笑ってしまいました。

ほんまや、私はもう40代前半で二人も自分で段取り考えて見送ってるんや、経験値どんどんあがるやんと。

正直、祖父の死で、他の孫たちより仕事を休まないといけない日数も多かったり、考えないといけないことも多くてクタクタだったんですが、その言葉にちょっと勇気付けられたのと、もう1つ、私を鼓舞させてくれた言葉が。

祖父が死んだら、もちろん喪主は跡取りであるうちの父。
そして、父の妹弟もいますので、孫の私がいろいろと手配したり動くのもほんとは役割ではないんですが、亡くなった母から、そういう家のいろんな行事の引き継ぎもうけ、田舎ならではの特有のご近所のつながりなども教え込まれてるため、私がちゃんとしなきゃ、でもほんとは私じゃなくてもいいのに、、と、どこかこの役割を、やらされてる感があってモヤモヤしてたのも確かなんです。

通夜の寝ずの番のときも、父と父の妹弟は寝ており、私と主人、弟夫婦と、従妹という孫たちで夜中じゅう起きて色々話してたんです。

そのとき、私がふと、ほんまは孫じゃなく子がやることやんなぁと呟くと、弟の嫁、私の義妹に、「でも、私らのほうが若いですもん。若くて元気で、だから出来る人が出来ることすべきなんです。自分の子供にもそう教えたいから。」と言われたんです。

あ〜義妹ちゃんも家族になって、この役割を、やらされてる感ではなく、ちゃんと自分のできることと捉えて考えてくれてるんやなぁと嬉しくなり、私ももう立場がどうとか、そんなこと考えてたらあかんなぁと思いました。

自分が段取りを考えさせてもらえるので、ある程度私の予定に合わせてお寺さんへもお願いが出来ますし、内容も告別式の規模なども親族の想いを聞きながらとはいえ、私の都合が一番優先させてもらえます。

決められたことをやることより、ある程度自分の段取りでやりたい私の性格にはちょうどよいし、母はそれも見越して、私にいろんなことを預けて亡くなったんだなぁと、今回も思い知らされました。

寝ずの番を含め、亡くなった日の夜中ももちろん寝れてませんので、ほぼ2日間ゆっくり寝れず、いつも誰か親族と一緒で、一人でゆっくりする時間はなかったですか、その分、家族や親戚と今まで話したことのないような深い話をしたり、祖父への想い出話をしたり、いくらでも話すことはあり、告別式が終わっても法要ごとに集まり、会話が増え、絆が深まっていくことを日増しに感じてます。

 

亡くなった人を送る気持ちとその人への感謝は、残された者がよりつながりを深め、いつまでも仲良く協力しあい、寄ればみんなで想い出話をする。
それが一番の故人への「ありがとう」になるんだなぁと、お互いいろんな言葉をかけ合う中でまた1つ勉強させていただきました。

大人たちの様々な思いと疲れの中、ひ孫たちが走り回り、でも、火葬場ではまだまだ幼いひ孫たちも泣き、悲しみに包まれながらも、温かい思いに包まれたこの1ヶ月。

どう生きるか、どう死ぬか、これは永遠のテーマだなぁと思います。

 

そして、「やらされてる感」じゃなく、物事を考えられた瞬間に見えてきたことは、段取りは私がしているかもしれませんが、それがスムーズに進むよう、その場にいる全員の人がどれだけ考えて動き、協力してくれてるかです。

これはほんとに仕事にも言えることで。
いや、人生すべてにいえることで、余裕なく心が疲れてるときほど、一度立ち止まり、自分のまわりの環境を見て、まわりに感謝すると自分の心もふわっと軽くなる。

そして疲れもちょっと飛んでいく。

良い循環になる方法、わかっていてもすぐに忘れるので、これからはしんどくなったらまず、あの寝ずの晩のこと、思い出したいと思いました。

写真は、平日は仕事、土日は益々実家の用事に追われてるこの10月に、無理やり時間作ってまで観た映画「イエスタデイ」。

「世界からある日、ビートルズが消えた」という設定(自分以外誰もビートルズを知らない)の、ありえない映画で、私はビートルズ世代じゃないんですが、とにかく、観終わったら、足取りが軽く、心がスキッとして、ビートルズの名曲を口ずさむという気持ちの良い映画でした。

忙しいときこそ、自分のしたいことのために時間を無理につくるのもリフレッシュのため、ほんとに大事なことですね。

 

さてさて、これからどんどん冬に向かい寒くなりますよね、、
一人暮らしの父は、冬にいつもなんだかんだトラブルを起こして、私や弟にヘルプ出しをしてきます。今年はなにが起こるのか。ただ不安ではありますが、それもこの生活で避けられぬこと。

1つ1つ乗り越えて勉強していきたいと思います。

皆様も、冷えぬよう、あったかい生活を送ってくださいませ。

 

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メディカリズム編集部

投稿者: メディカリズム編集部

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