遠隔介護ブログ(第9回)

photo_watanabeコーディネーターの渡邉です。
本格的な夏、例年よりかなり暑く感じ現に熱中症で搬送される方のニュースも昨年までより多く聞かれる気がする今年ですが、皆様、ご体調はいかがでしょうか。

わたしは亡き母の親友から手作り梅酒をいただき、寝る前にコップ一杯、お湯で割って飲むという夏バテ防止法を取り入れてます。
お酒が一滴も飲めない主人には姑が作ってくれた梅ジュースを水で割って渡します。
どちらも手作り、ありがたいことです。
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看護師さんは、熱中症でしんどい思いをされてる方々への看護や、またそのようなかたを出さないような健康管理にお忙しい毎日かと思います。

わたしも一人暮らしの高齢の姑、そして、父が熱中症にならぬよう日々心配しております。

今回は、子育ても褒めて育てるという論が世間でも広まっており、本屋さんでその類の本も沢山見ますが高齢者の健康のためにも褒めるって大切なんだなぁと思った話です。

うちの父は妻を亡くし、父を施設に入れてからまったくの一人暮らしになり、
生きるモチベーションを保つことにほんとに波がありました。

高齢者大学に行ったり、障がいのある方々へのボランティアに参加したり、そこで知り合ったお友達とおでかけしたり、デイサービスに行ったり。
毎日、それなりに楽しんではいましたがもちろん、お金を稼いでるわけではないので年金や今まで残してきたお金でのやりくり、先々の不安もあります。

そのうえ、家に一人でいるときは話し相手もいなくて、田舎の広い家にぽつんと一人。
心が落ち込んだときは電話をしてきては、生きていてもしょうがないというようなことをこぼしてました。

すこし使い過ぎに思える電気代などを注意した冬には「寒いから暖房つけるんはしゃあないやろ、凍えて死ねいうんか、なんでもかんでもお父さんが悪いんか」と、早朝から何度か電話かけてきて怒鳴ってくることもありました。

父のネガティブな電話に、こちらの心もやられそうなことも母が亡くなってから何度も何度もありました。
主人や弟家族、いとこたち、そして、なんでも話せる友人がいなかったら、わたしのほうが先に健康被害が出るくらい思いつめてたかもしれません。

ただ、ありがたいことに父のまわりの方々が本当に厳しく優しい。

ケアマネさんも父に厳しく指導してくださいます、デイサービスの所長さんもしんどいのはあなただけじゃないよと、日々、みんながどんな思いで生きてるかちゃんと話してくださいます。

正直、歩くのも杖や押し車でやっとの父が障がいのある方へのボランティアに行っても出来ることは限られてますし、かえって父がまわりのボランティアさんたちに手間をおかけして、お仕事を増やしてしまいます。それでも仲間のボランティアさんたちは父を家まで迎えにきてくださいます。

すべて、父に生きる力を与えてくださってます。

それでもネガティブな日があります。

そんな父が先日、「おとうさん、あと20年は生きたい、そう思えるようになった、頑張る」と急に生きる目標を口にするようになりました。

そのきっかけがある、ピンバッチです。
そのピンバッチはわたしと主人が実家に帰ると大事そうに仏壇にある引き出しにしまわれてました。

父の住む市からボランティア賞をもらったというのです。
新聞にも広報誌にもそんな記事はありません。
でもボランティア仲間さんが推薦してくださり、代表で父がもらったと、そのお仲間さんが手渡してくださったそうです。表彰式も表彰状ももちろん副賞もない。
でも、ボランティア賞だそうで。
何十年もボランティアしてきたからみてる人はみてくれてる、もっとこれからも頑張らなあかん、もっと貢献できるように元気におらなあかん、だからデイサービスでもリハビリ頑張るねん、手足動かすねん。

と、いつも以上の饒舌で語る父。

わたしはなんとなく勘付きました。
これは、父を元気にさせるためのボランティア仲間さんの優しい嘘なんだろうなぁと。
いい感じのピンバッチがあったので父を励ますため、生きる力を出させるため、考えてくださったんだろうなぁと。
たしかに、何十年もボランティア続けているのも間違いないですし、ただ、私からすればほんとに父がボランティアにいくために、そこでボランティアをするために、支えてくださってるボランティアさんがいることに感謝感謝なのですが。

やはり、生活には優しい嘘は必要だと感じた出来事でした。いや、ほんものの賞なのかもしれませんが。

子供にも高齢者にも褒める、大事なことですね。
それでやる気になるなら、より大きな希望が出てくるなら。調子に乗らせるのは悪いことではないですね。
この経験、私自身ももっと寛大な気持ちで、人に接して、人をやる気にさせる力を身につけていかねばならないと改めて思わせてくれました。

遠隔介護ブログ、第九回目の今回は体や生活面だけの介護ではなく、心を介護する、そういったことを勉強させていただいたことについて書かせていただきました。

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メディカリズム編集部

投稿者: メディカリズム編集部

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